がん診療連携拠点病院とは

当院は2008年2月8日付けで、「地域がん診療連携拠点病院」の指定を受けています。

がん診療連携拠点病院とは、全国どこでも質の高いがん医療を提供することができるように、各地域におけるがん診療の連携・支援を推進するため、厚生労働大臣より指定された病院のことです。各都道府県で中心的役割を果たす「都道府県がん診療連携拠点病院」、都道府県内の各地域で中心的役割を果たす「地域がん診療連携拠点病院」などがあり、専門的ながん医療の提供、がん診療の地域連携協力体制の構築、がん患者・家族に対する相談支援及び情報提供等を行っています。
埼玉県では１４病院が指定を受けており、そのうち南部医療圏では、当院の他に済生会川口総合病院、戸田中央総合病院が地域がん診療連携拠点病院の指定を受けています(令和5年4月1日現在)。

当院の主な診療実績

（令和4年1月1日～12月31日）

院内がん登録数(当院初回治療)	1,031件
悪性腫瘍の手術件数	767件
がんに係る薬物療法のべ患者数	1,280人
放射線治療のべ患者数	186人

地域がん診療連携拠点病院としての主な取り組み

〇手術・放射線療法及び抗がん剤による化学療法などを効果的に組み合わせた治療を実施します。

我が国に多いがん（肺がん、胃がん、肝がん、大腸がん及び乳がん）及びその他各医療機関が専門とするがんについて、手術、放射線治療及び薬物療法を効果的に組み合わせた集学的治療及び緩和ケアを提供する体制を有するとともに、各学会の診療ガイドラインに準ずる標準的治療等、患者さんの状態に応じた適切な治療を提供します。

〇さまざまな職種からなる緩和ケアチームを組織し、患者さんに対し適切な緩和ケアを提供します。

がんと診断されれば、身体的な問題のみならず、気持ちも落ち込み、日常生活にも変化が生じることがあるかもしれません。緩和ケアチームは、患者さんががんと診断された時から緩和ケアを提供できるよう体制を整え、さまざまな面から患者さんの身になってサポートしてまいります。

〇地域の医療機関への診療支援や連携を図り、患者さんのがん治療をサポートします。

地域の医療機関から紹介されたがん患者さんの受け入れを行うほか、患者さんの状態に応じ、地域の医療機関への紹介を行います。そのために、地域の医療機関の医師と診断及び治療に関する相互的な連携協力体制を進めています。
また、地域の医療圏内のがん診療に関する情報を集約し、当該圏域内の医療機関やがん患者さん等に対し情報提供します。

〇地域の他の医療機関で「がん」と診断された患者さんを対象にセカンドオピニオンを提示します。

手術療法、放射線治療、薬物療法又は緩和ケアに携わる専門的な知識及び技能を有する医師によるセカンドオピニオンを提示する体制を整備するとともに、がん患者さんとその家族に対して診療に関する説明を行う際には、他施設におけるセカンドオピニオンの活用についても説明を行う体制を整備しています。

〇研修の実施

厚生労働省の「がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会の開催指針」に準拠した研修を、がん診療に携わる医師を対象として実施しています。

〇がん相談支援センターで、患者さんのがんに対するさまざまな悩みやご相談に応じています。

がん専門の相談員としての研修を受けた看護師や相談員が、がんの病態やがんの治療に関する一般的な情報、がんの予防やがん検診等に関する一般的な情報、連携する地域の医療機関に関する情報などがんに関するさまざまな情報を提供するとともに、療養生活に関する相談、就労に関する相談、その他抱えている不安・問題などお伺いし、患者さん、ご家族が問題解決できるようにサポートさせていただきます。