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病院指標

病院指標

はじめに

DPC(診断群分類別包括制度)とはDPC(Diagnosis Procedure Combination)の略で、医師が決定した主病名に基づき、入院患者さんの一連の医療行為を、国で定めた1日あたりの定額の点数から入院医療費を計算する制度です。DPC対象となる患者さんは保険適用患者で、一般病棟を入院された患者さんを対象とします。

※DPC対象外の患者さん

  • 自動車賠償責任保険や労災保険、自費等の患者さん
  • 入院期間中、一度も一般病棟を使用しなかった患者さん
  • その他、国で定められた項目に該当する患者さんはDPC対象外となる(白内障手術、24時間以内死亡など)

病院指標公開の目的

DPCデータから全国統一の定義と形式に基づいた指標を作成し、市民の皆様に情報公開するものです。この病院指標は、数値やデータを解説化することにより、市民の皆様に当院の特徴や、急性期医療の現状を理解していただくことを目的として公開しております。

現在公開しております病院指標は、令和5年度(令和5年4月1日~令和6年3月31日)中に当院の一般病棟を退院された患者さんのデータを集計の対象として作成しております。
集計対象患者は、医科保険適用患者(公費、生活保護患者含む)で、DPC対象外患者は除いております。

令和5年度 川口市立医療センター 病院指標

頻用用語解説

在院日数

  • 初回入院年月日から最終退院年月日までの延べ日数を表します
  • 令和5年4月1日に入院し、令和5年4月2日に退院した患者さんの在院日数は2日となります

患者数一連の入院を一患者としてカウントします年齢初回入院開始日時点の満年齢とします‐(ハイフン)10未満の数値の場合は‐(ハイフン)を表示しています

各指標について

1 年齢階級別退院患者数

令和3年度に当院を退院された患者さんを10歳刻みの年齢階級別に集計しました。

退院患者さんを年齢階級別に集計することにより、当院の患者構成や特徴をある程度知ることができます。

定義

集計対象患者は令和5年度(令和5年4月1日~令和6年3月31日)退院患者とする。

年齢は入院日時の満年齢とする。

2 診療科別症例数トップ3

症例数の多いDPC14桁分類(DPCコード)を、各診療科別に集計しました。
項目はDPC14桁分類に対する症例数、平均在院日数(自院・全国)、転院率、平均年齢、患者用パスの有無で、各診療科別に上位3つを掲載しております。

●指標に示されるそれぞれの用語は以下の通りです。
最終的な自院の退院をもって1カウントとする。
転院は、最終的な退院先が「他の病院・診療所への転院」の患者とする。

DPC14桁分類(DPCコード)
診断群分類を表すコードです。医師によって決定される主病名と、一連の入院期間中に行われた医療行為の組み合わせによって分類されますので、同じ主病名でも医療行為が違えばDPCコードも異なります。14桁の数字は全てに意味をもち、全国共通のコードとして使用されております。

名称
主病名についてどのような医療行為を行ったかを表します。

平均在院日数(自院)
入院中の在院日数を症例毎に集計し、その値を症例数で割った平均値です。

平均在院日数(全国)
厚生労働省より公表されている、全国DPC対象病院の令和元年度における在院日数の平均値です。
※以降の指標でも同様です。

転院率
該当する症例数のうち、当院から他病院に移動して入院継続(転院)することとなった患者さんの割合です。
※以降の指標でも同様です。

患者用パス
入院時に患者さんにお渡しするクリニカルパスの略です。
クリニカルパスとは、治療や看護の手順を標準化し、診療の効率化を図る入院診療計画で、検査・治療・手術・ケアなどの内容を時間軸に沿ってスケジュール表(パス表)にまとめたものです。(症例によってクリニカルパスは異なります、パスの掲載は現在準備中です)
※以降の指標でも同様です。

3 初発の5大癌のUICC病気分類ならびに再発患者数

癌の5大癌と呼ばれる、胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌の患者さんの人数を初発のUICC病期(ステージ)分類別、および再発に分けて集計しました。

患者数は延患者数とします。例えば一連の治療期間に入退院を繰り返すなどを行った場合は、同一患者さんの入退院を繰り返した回数分をかけた延患者とします。

●指標に示されるそれぞれの用語は以下の通りです。
UICC病期分類
国際対がん連合(UICC)によって定められた、原発巣(※1)の大きさと進展度(T)、所属リンパ節への転移状況(N)、遠隔転移の有無(M)の要素によって各癌を0期(※2)~Ⅳ期の5病期(ステージ)に分類するものです。
※1 原発巣・・・癌が最初に発生した場所にある病巣
※2 0期は集計対象外

4 成人市中肺炎の重症度別患者数等

成人市中肺炎の患者さんの人数を重症度別に集計しました。
重症度は、成人市中肺炎診療ガイドライン(日本呼吸器学会)による※重症度分類(A-DROPスコア)を用いて分類しました。

定義

入院のきっかけとなった傷病名、および最も医療資源を投入した傷病名が、肺炎、急性気管支炎、急性細気管支炎(DPCコード:040080相当)であるものとし、インフルエンザ等のウイルス性肺炎(DPCコード:040070相当)、及び誤嚥性肺炎(DPCコード:040081)は除外とする。入院後発症の肺炎、一般病棟以外からの転入、他院からの転院も除外とする。

※重症度分類(A-DROPスコア)
Age(年齢)男性70歳以上、女性75歳以上
Dehydration(脱水)BUN21mg/dL以上または脱水あり
Respiration(呼吸)SpO2<=90%(PaO260Torr以下)
Orientation(意識障害)意識障害あり
Pressure(収縮期血圧)収縮期血圧90mmHg以下

●指標に示されるそれぞれの用語は以下の通りです。
成人市中肺炎
普段の生活の中で成人が罹患した肺炎のことです。

5 脳梗塞のICD-10別患者数

脳梗塞の病型別の患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を集計しました。

定義

最も医療資源を投入した傷病名の脳梗塞ICD-10コードの上3桁で集計とする。

発症日から「3日以内」「その他」に分けた数値で表記する。

「転院」とは、退院先が「他の病院・診療所」とする。

●指標に示されるそれぞれの用語は以下の通りです。
ICD-10コード
International Classification of Diseases and Related Health Problems(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)の略称で、世界保健機関(WHO)が世界保健機関憲章に基づき作成した、傷病に関する分類です。

世界の異なる国における傷病の状況を比較できることを目的とした標準的分類で、現在は1990年(平成2年)のWHO総会で改定された、第10回修正版(ICD-10)が採択されています。

6 診療科別主要手術の術前、術後日数症例数トップ3

診療科別に症例数の多い手術件数を集計しました。

診療科別に手術件数の多い順に3術式について、患者数、術前日数、術後日数、転院率、平均年齢及び患者用パスの有無を掲載しております。

定義

手術術式の点数表コード(Kコード)による集計とし、輸血関連(K920$)や創傷処理などの軽微な手術、加算等は除外とする。

同一手術において複数の手術手技を行った場合、主たるもののみカウントする。

転院については、退院先が「他の病院・診療所」とする。

●指標に示されるそれぞれの用語は以下の通りです。
Kコード
医科点数表で定められた、手術に対する点数表コードです。

名称(部位)
手術術式の名称です。同一のKコードで複数の部位が対象となる手術もあり、その場合は部位別に集計しております。

(例)整形外科

  • K0461 骨折観血的手術(大腿) 83件
  • K0461 骨折観血的手術(上腕) 11件

2種の手術件数は別集計となります

平均術前日数
入院日から手術日まで(手術日当日は含まない)の平均日数です。

平均術後日数
手術日(手術日当日は含まない)から退院日までの平均日数です。

7 播種性血管内凝固、敗血症、真菌症、手術・処置などの合併症の発症率

播種性血管内凝固、敗血症、真菌症、手術・処置などの合併症の患者数と発症率を集計しました。

DPC病名と入院契機が「同一」か「異なる」に分類して集計しております。

「同一」はある病気の診療目的で入院し、その病気の治療を行なったということを表し、「異なる」はある病気の診療目的で入院したが、併発していた、もしくは入院中に違う病気が発症したことにより、その治療が主となってしまった場合を表します。

定義

最も医療資源を投入した傷病名が播種性血管内凝固(DPCコード:130100)、敗血症(DPCコード:180010)、その他真菌症(DPCコード:180035)、手術・術後の合併症(DPCコード:180040)について患者数をカウントし、全入院患者に対する発症率を掲載する。(DPC6桁分類とする)

発症率はそれぞれの患者数÷全入院患者数×100とし、少数は2桁まで掲載する。

一入院(三日以内再入院を除く)1カウントとする。

●指標に示されるそれぞれの用語は以下の通りです。

DPC6桁分類(DPCコード)
14桁あるDPCコードのうち、上6桁で病名が表されるコードです。DPCコード6桁で表示される場合は病名による分類を表しており、医療行為などは含まれておりません。

播種性血管内凝固
感染症などによって起こる、全身性の重症な病態です。

敗血症
感染症によって起こる、全身性炎症反応の重症な病態です。

真菌症
真菌による感染症です。

手術・処置などの合併症
手術や処置などに一定割合で発生してしまう病態です。術後出血や創部感染などが挙げられます。
合併症は、どのような術式でもどのような患者さんでも、一定の確率で起こり得るものなので、医療ミスとは異なります。

入院契機
DPCコードにて分類される主病名とは別に、入院のきっかけとなった病名(入院契機病名)がそれぞれの患者さんにつけられます。

発症率
全入院患者さんのうち、該当の病気で発症した患者さんの割合です。