概要
泌尿器科は尿路(腎臓・尿管・膀胱・尿道)、内分泌器官(副腎・精巣・前立腺)、男性性器を対象とした感染症、結石、良性腫瘍、悪性腫瘍(がん)、排尿機能障害などを扱っています。
症状としては、血尿、排尿痛、排尿障害(尿が出にくい、近い、すっきりしない、もれるなど)、腰や背中の痛み、睾丸の腫れや痛みなどが主なものです。
主な病気は、尿路感染症(腎孟腎炎、膀胱炎、前立腺炎など)、尿路結石(腎・尿管・膀胱結石)、前立腺肥大症、神経因性膀胱、尿失禁など。悪性腫瘍では腎がん、腎孟・尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、精巣腫瘍などを対象としています。
尿路結石治療は小さい結石は保存的な治療で排石を図りますが、排石しないものは体外衝撃波で破砕したり、尿路内視鏡で砕石・抽出します。悪性腫瘍は手術、放射線、抗がん剤、ホルモン療法などの集学的治療を行います。
なお、小児領域の泌尿器科疾患には対応しておりません(精巣捻転などの緊急対応はいたします)。
特色
当院は日本泌尿器科学会認定施設であり、常勤3人(すべて専門医、内2人が指導医)と非常勤3人で診療を行っています。
結石には平成6年から体外衝撃波結石破砕装置を取り入れ、平成20年より新しい機種を導入とともに外来治療を行っています。外来治療をご希望の患者さまには体外衝撃波破砕を行い、また結石を完全に除去をご希望の型には内視鏡を用いて尿管・腎孟を観察し、レーザーを用いて取り除くことを行っています。
悪性腫瘍・がんに対しては外科的手術としては低浸襲手術の腹腔鏡手術のみならず、積極的に外科手術を行い、放射線療法、抗がん剤治療なども組み合わせてガイドラインに沿った集学的治療を行っています。
前立腺がん腫瘍マーカー(PSA)検査は川口医師会と地域連携クリニカルパスを作成し、地域の先生方と連携をとり、どの施設でも同じ診断基準で検査、経過観察できるようにしました。
泌尿器良性疾患として前立腺肥大症がありますが、内服薬治療で症状が改善しない場合は電気メスを使用した経尿道的手術を中心に行ってきましたが、平成21年よりホルニウムヤグレーザー前立腺核手術(HoLERP)を行い、大きな前立腺も出血も少なく良好な結果を得ています。
外来、入院において患者さまとの対話を大事にして患者さまに満足の得られる医療を心がけ、手術・入院はできるだけ短時間を目指して早い社会復帰ができるように努めています。
診療実績
主要疾患手術件数 | 平成28年度 | 平成29年度 | 平成30年度 |
腎がん、腎盂・尿管がんの手術 | |||
開腹 | 10 | 9 | 3 |
腹腔鏡手術 | 5 | 10 | 19 |
膀胱がんの手術 | |||
全摘・尿路変更 | 6 | 4 | 3 |
経尿道的 | 94 | 129 | 101 |
前立腺がん手術 | |||
開腹 | 13 | 17 | 9 |
腹腔鏡手術 | 0 | 0 | 0 |
尿路結石手術 | |||
経尿道的尿路結石摘出術 | 58 | 66 | 103 |
経皮的尿路結石摘出術 | 3 | 15 | 21 |
主要術式別件数
主要疾患手術件数 | 平成28年度 | 平成29年度 | 平成30年度 |
前立腺レーザー核出術 | 13 | 17 | 23 |
経尿道的前立腺切除術 | 2 | 12 | 5 |
前立腺生検 | 147 | 199 | 174 |